【洋書多読】After the Quake by Haruki Murakami

After the Quake by Haruki Murakami

144 pages

 

村上春樹氏の英語本はこれまでの

 

The Elephant Vanishes 

What I Talk About When I Talk About Running: A Memoir 

 

 に続き3冊目です。

 

この本は5つの短編で構成されています。

 

先回紹介した Kitchen by Banana Yoshimoto 同様、阪神・淡路大震災を題材にしたこの本も『生と死』をモチーフに書かれていると感じました。

 

それほど分厚い本ではないので、1つのお話は短く、話にやっと入って登場人物に感情移入し始め面白くなってきたな、という頃に突然終わります(苦笑)。

 

短編の特徴なのかどうかはわかりませんが、プツッと終わった後は何とも言えない読後感が残ります。

 

とても不可解な後味のおかげで、この話は一体何を言いたかったんだろう?と考えさせられます。

 

でもその疑問にはきっと答えはなく、自分の経験を通してしか想像できないものなのだろうと思います。

 

本を読んだあとのなんだかわからない気持ち悪さを何となくずっと覚えていて、自分の潜在意識はそのあとも、自分なりにもう少し座り心地のよい答えを探し続けて行くのかも知れません。

 

そしてこの先あるときふっと、『あ、もしかするとあの話はこんなことを言いたかったんじゃないのか?』と気づくことがある…

 

のかどうかもわかりません(苦笑)。

 

でも話の続きがなんだか気になってしまう…

 

そんなものなのかも知れません?

 

そして、それぞれの話の中の登場人物たちの心の変化や行動の意味もしかり。

 

震災の様子を見ていて突然思い立った行動に出たあの登場人物も、自分の平穏とした日常に危機感を感じたのでしょうか。

 

 

震災で命を失う人を目の当たりにするからこそ感じられる自分の『生』。

 

この本もまた、今自分が生きていることを再認識させてくれます。

 

 

英語の文体は平易というよりは、(文学的な)書き言葉らしい響きを持っているという印象を受けました。

 

だからこそ "All God's Children Can Dance" では、宗教家である母親と、思春期に信仰をやめた息子との会話や、全体のトンチンカンな描写と英語の響きに妙なギャップを感じ、ついつい読みながら笑ってしまったのでしょう。

 

特に母親が何度も口にする

 

"had knowledge"

 

という言葉の響きは日本語ではどんな風に説明されているんだろう?と興味を持ちました(苦笑)。

 

倒置や分詞構文的なものがふんだんに使われている、なかなか文学的な文章ではあるものの、まず本をぱらぱらとめくったときには

 

あ~いい英語だなぁ!!

 

という第一印象。

 

まぁフォントの感じが自分の好みに合っているという場合もあるし、文字が読みやすいくらいに大きいというだけの理由のときもありますが(笑)。

 

でも並んでいる英語の羅列を見ると、自分の好きな感じかどうかすぐにわかるものですね。

 

 

その第一印象がよければとっつきやすさもよいということになることが多いです。

 

ちなみにほぼ一日で読めてしまいました。

 

 

話を短編に戻すと…

 

最後の "Honey Pie" では、それまでの読後感とは真逆な感じのエンディングにほんわかとした気分になりました。

 

 

この話、最後の最後に残酷などんでん返しがあったらたぶん立ち直れなかったと思う(苦笑)。

 

主人公の男性(名前忘れた…)、本当によかったねと声をかけてあげたい。

 

そして、そう感じることで、自分が安心して心を許せる人々との居場所を見つけることが、生きるうえで一番尊いことだと私自身が思っていることをあらためて知るのでした。

 

小説を読むことは、自分の心と対話することでもあるのでしょうか。

 

少なくとも読みながら、そういう機会を得ているというのは本当のようです。

 

そんな体験を英語でできるということも興味深い。

 

 

ということで、なかなか面白い短編集でした。

 

裏表紙の村上さん、若い!

 

 

もともとどなたかからの寄与だったのか、当時買ったと思われる書店の値札が付いていて興味深い!

 

この丸善書店は私が英語を再勉強し始めた頃、月に一度くらい通って本をどっさり買い込んでいた書店です。懐かしい。

 

そして2900円は高い!当時洋書と言えばふつうに高価でしたからね。。今はよい時代になったものです。

 

 

引き続き村上春樹の本が2冊控えているので、レビューご期待ください!

 

(と言いつつ、ぜんぜん大したことなど書けていない気がする自分であった… ^^; 少しでも参考になれば幸いです