【洋書多読】BE TRUE TO YOUR SCHOOL by Bob Greene

 

 

352 pages

 

この本は今までに3回読んだ。

 

18年ほど前に名古屋国際センターのライブラリで借りたのが1度目。

 

その時私は30代前半で、青山静子先生の本に影響を受けて英語を始めた自分が、やっと第一の目標である英検2級を合格、その翌年に準1級も合格して、いよいよ『自分で英語を書く』ということに目覚めた頃だったと思う。

 

人生初の『ネイティブ講師とのマンツーマンレッスン』でかなり前向きに張り切っていた時代。

 

(大金を叩くに至ったため、当時専業主婦だった自分は申し込みでかなりナーバスになり、迷いに迷って結論を出すまでお腹の痛い日々が続き…その腹痛も申し込みを完了した瞬間にピタッと治まるというオチ付き)

 

先生から英語上達のために英語で日記を書くことを勧められたのだと思う。それで参考になる洋書を探すために洋書が豊富に取り揃えられている国際センターのライブラリに訪れ、いろいろ探すうちにまさに日記形式のこの本を偶然手に取り(?)興味を持ったのかと。

 

(当時はインターネットでサクサク本を探して買うという時代ではなかった)

 

それともダイレクトに先生にこの本を勧められて、それを求めてライブラリを訪れたのか?

 

そんな気もするが・・・記憶にない。

 

とにかく当時はこの本をとてもワクワクする思いで読んだ。

 

おそらく自分が日記を書くために参考になる英語があちこちに発見できて、自分にも使えそうな英語だという意味で嬉しく思ったのが一番強かったと思う。

 

それで使えそうな表現を一所懸命に自分でノートに書き写していた。

 

※そのノートが見つかったら写真追加アップをする予定

 

 

 

 

そして2度目。

 

それから14年ほどして、急に再びこの本を読みたくなって、今度は自分で買って読んだ。

 

その時の率直な感想は、1度目に読んで感動した気持ちが一体なんだったのだろう?というものだった。

 

おそらく読み出してすぐに読むのをやめてしまっただろうと思う。とにかく面白いと感じることができなかった。

 

 

 

そして今回3度目。

 

前半は正直面白いと感じなかった。単に高校生の平凡な日々が坦々とつづられているだけだと思った。

 

それでも確かに英語には参考になる部分が多く、自分の本であることを幸いとして、よい表現を見つけるたびにどんどんアンダーラインを引いて後からすぐに見直せるようにした。

 

半分まで読み終えて、次の日後半を読もうか迷った。

 

でも6月末の時点で、本の3分の1の分量であることを考慮すると、おそらくこの先著者が書きたいことが増えてくいる(=エキサイティングなことが増える?)と予想して、それが正しいものか確認してみたくなったため引き続き読むことにした。

 

その時期から夏休みが始まった。

 

高校生の夏休みとくればそりゃあいろいろあるワケだ。

 

…ということで、平坦な日記もどんどん面白みが増して行き、結局最後まで読んでしまった。

 

もちろんその頃にはすっかりとこの本の登場人物や場面に愛着がわいていて、最後のページの最後の行を読み終わったときは(いつもそうなのだが)、ジーンときた。

 

 

 

今回は以前の読書と比べると明らかに変わったことがあった。

 

それは登場人物の名前の把握についてだ。

 

実は私は英語の固有名詞に弱い。登場人物の名前とか、場所や店の名前とか。

 

2度目に読んだとき、明らかに読み始めの時点で、登場人物の把握に苦労していた。その記載が自分のFacebook投稿に残っているので間違いない。

 

今回は名前にはほとんど注目せずに読み飛ばした。

 

そのためにときどき誰が誰だかよくわからなくなることがあったのだが、必要なときにその都度努めて確認する必要はあったが、話が終わるころには何とかだいたいつながっていた(苦笑)。

 

要するに3度目の読書の際にはそれ以前に比べると、

 

『できるだけ必要のない情報はサラリと読み飛ばし、必要なことがらだけに注目する』

 

ということができるようになったということかも知れない。

 

そして3度目に再び面白いと感じることができた主要な理由はやはり、

 

本に書かれている英語を『書く立場』の目線で読んでいる

 

ということだと思う。これは1度目の読書の際にもそうだったろう。

 

1度目に読んだ頃の、自分の英語に対する純粋な情熱ははかり知れないものがあった。

 

おそらく2度目の読書の際にはその観点がなかったために、よりつまらなく感じてしまったのかと。

 

 


この本の英語について


この本は17歳の少年が書いた日記だけに、とても易しい英語で書かれていて読みやすい。

 

実際英語圏の高校生は、読書ではもっと難しい小説を読むことを課されている。でもそれはいわゆる受け身の作業であって、書く英語となるとネイティブでも読める英語のレベルよりは必然的に平易になるということなのだろう。

 

そして主人公のBob(著者)はジャーナリストを目指していて、その練習のために日記を書くことを勧められただけあって、英文はとても美しく、英語を外国語として学ぶ我々にとっては最高のお手本になる。

 

それでも村上春樹の本を読んだあとには、やはり物足りなさを感じてしまった。

 

ジャーナリスト志望の高校生にとっては事実をありのままに記録することが重要で、小説とは表現力においても描写においても、似て非なるものであるのは当然のことだろう。

 

だからこそ、自分の英語をより洗練させるためには、とりあえずいろいろなジャンルの英語に触れる必要があるのだと改めて思った。


まとめ


高校生が悪さをする場面がたくさん出てくるが、至って健康的な高校生の日常を描いている本。

 

60年代のよきアメリカの高校生ライフを垣間見るにはとても興味深い題材だ。

 

どこにも携帯電話とインターネットは見当たらない(笑)。そんな時代の話。

 

確かに不便だったろうと思うが、ほかにないものを探そうとしたら特に見当たらないほど、逆に言えば携帯電話とネットは現代の私たちの生活を支配しているのだなぁと改めて思い知らされる。

 

そしてちょうどビートルズが世に出始めた頃。

 

もうすでに売れ始めの気配なのだが、それでもまだまだ『どこの馬の何ちゃら』かわからないくらいの時期。

 

これにはものすごく新鮮な感じがした。

 

 

思えば1964年は私が生まれた年でもあった。

 

この日記は1964年の12月末で終わるのだが、その4か月前に自分がこの世に誕生し、このBob Greene氏と同じ地球上に存在していたと思うと不思議な気がした。

 

アメリカと日本、同じ星に生まれているのに近いようで遠い…。

 

何十年か後にも引き続きBob少年は私を知る由もないが、私はBob Greene氏の本と出会えたというミラクル。

 

そしてこのBob Greene少年は、とりわけ成績のよい生徒ではなかったのだが(だからこそ親近感が持てるというものかも知れないが)、ジャーナリストになりたいという夢を追いながら実際に新聞社の現場でアルバイトをしつつ、社会問題に対して自分の目線で考える機会、また、自分の考えをまとめたものが新聞の片隅を飾るというチャンスを経て、だんだんと大人になって行く過程を1年通して追っていくうちに、自分が同年代だったころを思い返していたように思う。

 

それでも悲しいかな50代になってしまった現在の自分の目線から、ではあるが。

 

このBob少年は将来の夢を実現させたのだが、ジャーナリストへの夢が、この少年の多感な頃の心の支えであったのだろうなと思う。

 

とはいえ、Bob少年をとりまく人間関係がとても穏やかなので、彼は幸運にもすくすくと健康的に育つことができたことが夢実現の大きな要因だったかも知れないが。

 

それ以降のBob Greene氏の映像などがないか探してみたが、特に見つからなかったのは少し残念だった。

 

とてもよい英語の表現とともに、ほろずっぱい読後感を残してくれる良書だ。